ホテルの口コミ管理。返信をためず、館内改善につなぐ方法
予約サイトとGoogleの口コミを開くたび、未返信が見つかる。清掃や食事への指摘を誰に聞けばよいか分からず、そのまま数日過ぎてしまう。ホテル・旅館の口コミ管理は、見るサイト、内容を確かめる人、返信する人を決めるところから始めましょう。
一人ですべてを抱える必要はありません。返信と館内の改善を分けて進めれば、支配人が返事を書いた後も、現場で直す仕事が残っていると分かります。ツールは、その分担で手間がかかる作業に合わせて選べます。
まず、どのサイトを誰が見るか決める
Googleマップ、楽天トラベル、じゃらんnet、Booking.comなど、自館に口コミが届く場所を確認します。使っていない予約サイトまで増やす必要はなく、現在の掲載先から始めてください。
下は、支配人・日勤フロント・予約担当がいる架空のホテルの分担例です。実際の施設の運用実績ではありません。
| 見る場所 | 新着を確認する人 | 内容の確認・返信の進め方 |
|---|---|---|
| Googleマップ | 日勤フロント | 清掃・設備など該当する担当に聞き、支配人が返信を確認 |
| 楽天トラベル・じゃらんnet | 予約担当 | 宿泊プランや案内内容を確かめ、支配人が返信を確認 |
| Booking.comなど、海外からの予約にも使うサイト | 予約担当 | 原文と翻訳を見て、内容と文面を確認できる人へ引き継ぐ |
一日のうちに確認できる時間を、例えば「午前の引き継ぎ後」と決めます。夜勤や休みを挟む施設では、担当者が不在のときの受け取り先も必要です。少人数の旅館なら、女将やオーナーが確認と返信を兼ねても構いません。
残しておくメモは「どの投稿か・今は誰の確認待ちか・次にいつ見るか」で十分です。投稿のURLがあれば、次の担当も同じ口コミを開けます。
Googleと予約サイトは、それぞれの返信先を確認する
Googleの口コミへは、オーナー確認済みのGoogleビジネスプロフィールから返信できます。対象施設の「クチコミを読む」で投稿を選び、返信欄を開いてください。
予約サイトは、そのサイトの施設管理画面で返信方法を確かめます。ツールで口コミを読めても、その画面から返信までできるとは限りません。誰がどのアカウントで送信するかも決めておきましょう。
Googleでは、送った返信が審査を経て公開されます。送信直後に表示されないときは、重ねて投稿する前に状態を確認してください。「送信した」と「公開された」を分けておくと、引き継ぎもしやすくなります。
返信を書く前に、客室・食事・接客の担当へ聞く
「部屋はきれいだったが、夕食の案内が分かりにくかった」という口コミなら、清掃への好意的な声と食事の案内への指摘を分けて受け取ります。星の数だけで、全体が良かった・悪かったと決めないことが大切です。
内容ごとの聞き先は、次のように考えられます。
- 客室の清掃や備品は、清掃担当と客室を点検する人へ。
- 食事の時間・会場・提供の案内は、レストランや配膳の担当へ。
- 予約プランやチェックイン時の説明は、予約担当とフロントへ。
- 浴場や設備の不具合は、設備を確認できる人へ。
担当へ伝えるときは、投稿内容に加え、確かめたいことを一つ添えてください。例えば「夕食会場の変更を、予約時と到着時にどう案内していたか」です。お客様の言葉だけで、原因や特定のスタッフのミスを決めつける必要はありません。
投稿日は宿泊日と同じとは限りません。分からない日付や状況は不明のまま扱い、予約記録などを確認する場合も、必要な担当者の間で共有します。
けがや設備の危険など、すぐに確認すべき内容が含まれていれば、返信文の完成を待たず責任者へ伝えてください。滞在中のお客様から直接連絡が来ている場合も、口コミの返信とは別に対応を進めます。
返信は、確認できたことを短く伝える
文章を整える前に、何が分かり、何を実際に直したかを確認します。「全スタッフへ周知しました」「設備を交換しました」と書くのは、その対応が済んでいる場合だけです。
基本の流れは、投稿へのお礼、指摘への受け止め、確認できた対応。謝罪を長く重ねるより、お客様が困った点に答えましょう。調査中の内容を推測で埋めず、約束できない返金や特別対応も書かないようにします。
返信と館内の対応をそろえる例
以下は架空の例です。「貸切風呂の利用時間が分からず、利用できなかった」という投稿を受け、客室の案内カードと受付の表示が異なっていたと確認できた場面を考えます。
館内では、フロント責任者が正しい時間を確かめ、客室担当が古いカードを差し替えます。別のスタッフが客室と受付の表示を見て、同じ内容になったと確認した後なら、次のように返信できます。
この度はご宿泊とご投稿をありがとうございます。貸切風呂の利用時間のご案内がそろっておらず、ご不便をおかけして申し訳ございません。客室の案内カードと受付の表示を確認し、利用時間の記載を統一しました。ご指摘を今後のご案内に生かしてまいります。
この文面を使う前提は、表示の統一が終わっていることです。まだ確認中なら、終わった対応として書かず、確認中であることを伝えてください。例文を丸ごと貼るより、自館で実施したことに置き換える方が伝わります。
名前や予約内容を公開の返信へ出さない
予約記録から分かった氏名、部屋番号、連絡先、同行者などの情報は、公開の返信に書きません。楽天トラベルでも、返信に投稿者の氏名などプライバシーに関わる内容を書くことは禁じられています。
外国語の投稿は、まず何を伝えているのかを確かめましょう。翻訳やAIで下書きを作る場合も、浴場の利用条件、食事の内容、実施していない対応が混ざっていないか人が読み直します。意味を確認できない文章は、そのまま公開せず、分かる人へ引き継いでください。
低評価という理由だけで、Googleの口コミを削除できるわけではありません。規定に違反していると思われる投稿は、該当する理由と内容を確かめて報告します。公開の場で言い争うことと、報告の手続きは分けて進めましょう。
返信した後に、現場で直すことを一つ残す
返信を送っただけでは、客室の案内や接客は変わりません。直す仕事がある口コミは、返信が済んだか、館内の対応が済んだかを別々に確認します。
先ほどの貸切風呂の例なら、引き継ぎメモは次の形です。これも架空の記入例で、実績を示すものではありません。
貸切風呂の案内:フロント責任者が時間を確認。客室担当が古いカードを差し替え。日勤担当が翌日の点検で客室と受付の表示を確認する。返信は表示の統一後に送信し、公開も確認する。
同じ不満が続くかを見るときは、期間と媒体をそろえ、内容も読んでください。点数の満点や集計の条件が違う媒体を、そのまま足して平均するのは避けます。投稿件数と宿泊者の人数も同じとは限りません。
清掃を褒められた、遅い到着にも丁寧に案内してもらえた、といった声も担当へ伝えましょう。続けたい接客が分かることも、口コミを読む価値です。内容の分け方に迷う場合は、口コミから改善点を見つける方法も使えます。
ホテルの口コミ管理ツールは、手間がかかる作業で選ぶ
何が負担になっているでしょうか。各サイトを開くだけで時間がかかるなら、口コミをまとめて確認する機能。返信文を作るのに時間がかかるなら、下書きや翻訳の支援が候補です。複数施設を比べたい場合は、施設別・内容別に見られるかも確認します。
Googleの確認と返信だけで間に合うなら、まずビジネスプロフィールで続けられます。複数の予約サイトまでまとめたい施設には、次のような製品があります。内容は2026年9月27日時点で確認した範囲です。
| 候補 | 主な用途 | 自館で確かめたいこと |
|---|---|---|
| くちこみクラウド | 複数の宿泊予約サイトの未返信をまとめて確認・返信。定型文、翻訳、AIによる返信文作成や分析も支援 | 利用中のサイトごとに取得・返信できる範囲と、担当交代時の使い方 |
| TrustYou CXP | 複数の場所に届く口コミやアンケートをまとめ、内容の分析やAIによる返信作成を支援 | 自館の対象サイト・言語で使える機能と、必要なプラン |
この2製品だけが選択肢という意味ではありません。機能名の多さより、自館が使う楽天トラベル、じゃらんnet、Booking.com、Googleなどで、必要な作業ができるかを優先しましょう。
「対応サイト」に載っているだけで判断しない
ツールの説明にサイト名があっても、口コミの取り込み、文章の作成、実際の送信で対応範囲が異なる場合があります。契約前に、使いたい媒体名を伝えて、次の点を確認してください。
- 新しい口コミと未返信を見つけられるか。
- 下書きを別の担当者が確認・修正できるか。
- ツールから返信するのか、元のサイトへ移動するのか。
- 送信後の公開状況と、対応途中の案件を確認できるか。
施設数・対象サイト・必要な機能を同じ条件にして、初期費用、月額、追加料金、契約期間を比べます。説明を受ける際も、実際の投稿へ誤って送らない確認方法を決めておくと安心です。
Google中心のツールも比べたい方は、Google口コミツールの機能と選び方から、必要な役割を絞れます。
宿泊後の感想を、もっと聞けるようにしたい方へ
投稿された口コミを確認する担当が決まっても、「退館時は忙しく、感想を聞くきっかけがない」「投稿されていない困りごとも知りたい」と感じることはあるでしょう。アンケートで聞く質問は、ホテル向けのアンケート質問例から選べます。
口コミぽんは、お客様へのアンケートを通じて、Google口コミの投稿をサポートする店舗・施設向けサービスです。QRコードや専用URLでアンケートを案内し、宿泊後の感想を聞くきっかけを作れます。
宿泊者へ感想を聞く方法を整えたい方は、口コミぽんのサービス内容をご覧ください。自館のどの場面でアンケートを案内できるか、使い方を相談することができます。
案内の方法がまだ決まっていなくても構いません。キャンペーンの対象・内容も、あわせてご相談ください。
